---本編スタート♪---
パール判決書 第二部 「侵略とは何か」その15
(G)考慮を要すると思われる事項
(5)強制的手段の合法性
さてさて、、、
今回のこのお題、パール真論ではきれいさっぱりスルーされてますねぇ。。。
そんなにどうでもいいことを、パール判事はわざわざ(5)として書き留めたんでしょうか?いえいえ、そんなことはないはず。
ではどうしてきれいさっぱりスルーなんでしょうか。。。
それはひじょーにわかりづらいから、でしょうねw実際、うちもこの本をナナメ読みしたならばきれいさっぱりスルーしそうですwなぜって、抽象的な文でしかないからなんですね。
抽象的でわかりづらい文章があった場合はスルー。これ
速読のキホンかとw
いや、でもだからといってここをスルーするのは読者にひじょーに失礼。これじゃまるで、「どうせ読者なんてパール判決書をまともに読まないだろw」と、言ってるようなもんです。
なぜか!
実は、一行目の文章が意味不明気味なんですが、ちょっと誤解を与えそうな文だからです。だからそこはキチンと説明を入れておかないとイカンのです。
というわけで、問題の一行目を読んでみましょう。
この問題を離れるにさきだち、本官は、パリ条約以後でさえ、国際社会では戦争一歩前のある種の強制手段は合法と認められていることを思い起こしてみたいと思う
この文章を読んで、ちょっとおかしくね?w、と思ったらアナタは国語力が高い!
え?どこがおかしいって?
「この問題を離れるにさきだち」これは日本語としてはおかしいですね。
そもそも日本語の表記がおかしいわけですから、意味についても考察が必要になりそうです。なんでかっていうと、英文を翻訳した日本語だからです。
(G)全体の問題を離れるにさきだっての考察である
※良く考えたら、↑が正解ぽいのでこちらでFAにしときますw
ともあれ、ふつーの人がふつーに読めば、(4)までの問題に関する考察であるかのようなこの文は多くの人に誤解を生む可能性があるわけですから、要説明でしょう。
なんでかって?
(4)までの問題というのは、日本に対するボイコットについて書かれているからです。ナナメ読みしたらまるでパール判事が、
中国やアメリカによる戦争一歩前のボイコットは合法である
と言っているように思えるからです。そもそもそれはありえないわけですが、そういう予断を与えないようにここはちゃんと説明しておきましょう。
パール判事は、戦争一歩前の強制手段というものが何を指すのか書いていません。ただし、これは日本が被告なわけですから、日本が行った強制手段について、ということです。原告側の行為が合法であるかどうかをわざわざ章立てて説明する必要がこの時点ではないので。
そうすると、満州事変とか真珠湾攻撃のことであろうとは予測できますね。(多分真珠湾攻撃)
そこまでわかったら、後は本文を前文掲載してみますw
我々が本件において提出された証拠の取調べにあたって、もしこの事実を見逃すならば、それは我々の義務を怠ることになる。もし戦争開始の意図を明確に示す証拠が提出されたのであるならば、この点に関する困難は少しもないであろう。しかしながら、もし提出された証拠が、それ自体ではこの立証目的に不十分である場合、そして法廷が以前に生じた事件または協定の価値を判断するに当たってこれにその後起こった戦争の徴候を示すものだという遡及的解釈を付するように要請される場合には、法廷は、かような以前においても、かような妥当な心理状態の可能性が存在したという事実を見落としてはならない。
さぁどうだwこれ読んですぐ分かったらもはや天才だw
天才ヴォーグさんでもわからなかったらしい。(らしい?w
実は(6)以降の問題を考察するに当たって重要な意味を持つわけなんですが、ここは待避所一丁目流儀で、この時点でのこの意味の理解にとどめておくことにしましょう。
ここでパール判事が何をいいたいかっていうとですね、
戦争開始の意図無く強制手段に訴える事は国際法において違法性がある、ということです。
え?ややこしや~~って?w
もうちょっと分かりやすく、例えでいきましょう。
ある日突然いきなり北朝鮮が日本に核ミサイルを落としたとします。そしたら、日本もこりゃいよいよ戦争か!?って思うわけです。
ところが、それからさっぱり北朝鮮から何の音沙汰もない。。。問いただしてみたら、「いや、戦争するつもりは無いよw」と。
そしたら困っちゃうわけですよね。日本は一応専守防衛なわけで、相手はミサイル落としといて戦争するつもりは無いと言う。
そしたらそれは単なる殺人ということになる。
国際法上、戦争は国家に認められた権利ですが、国家による殺人は認められていないわけです。当たり前だろwって思うでしょうけど、戦争だって相手を殺す目的なわけですからね、線引きをしっかりしとかないとイカンわけです、法律的に。
う~~む、我ながらわかりやすいなw
だから、
戦争開始の意図を明確に示す証拠があれば何の問題もないと言ってるわけです。
しかし、そこからまた難しくなる。
上の文を読むとまるで、
1.提出された証拠が戦争開始の意図を示すのに不十分である場合
2.以前に起こった事件や協定が、その後起こる戦争の兆候であったという遡及的解釈を法廷が行う場合
それが起こったときに戦争を開始しようとする妥当な心理の可能性が存在する
と言っているように読めますよね。ふつーはそう読むはずです。1と2は別個に結論と繋がっているように見えます。
が、しかし、実際には、
1の場合であっても、2の場合は、・・・
と読むのが正解なんです。
ここら辺は、訳者のミスというより英文と日本語の違いによるものだと思うのでいたしかたないんだとは思います。
つまり、
戦争開始の意図を示す証拠が見つからなかったとしても、時間軸で追っていって戦争の兆候を見ることが出来たならば、そのときすでにそういう妥当な心理がある可能性はあるよね
ってことです。
ね?これ結構重要な事言ってるでしょ。しかもかなり誤解を与えやすい文でw
こんなとこスルーしていいとこじゃないぞマヂデw
まぁ、それでもまだ抽象的な文章ですから、それが何を指しているのかはまだわからないわけです。それでいいんです。それは次回以降、お~このことか、と分かるからいいんですw
そして次回は
(7)条約その他に違反せる戦争
です><b
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